Step4.「廃棄・移行フェーズ」からシステムのあり方を考える

ハードウェアやソフトウェアは無駄な資産

いま検討しているシステムは何年使いますか?使い終わった後どうなりますか?

ハードウェアは、システムの利用が完了したときには相当陳腐化し、中古品として売れるものではありません。つまり0円の価値、ということになります。PCのような汎用品ならともかく、サーバ機は特定のメーカのサポートとひも付きであり、誰も引き取ってくれません。ましてや、システムの利用途中でサポートが切れたり、パフォーマンスが出ない、OSがアップグレードされた、などの発注側がコントロールできない理由で買い替えや増強を迫られたりもします。

ソフトウェアにはライセンスがありますが、メジャーバージョンアップ後にも引き継げるライセンスは(業務パッケージでは)少ないものです。長く使い続けるパッケージならまだしも、システムの更新やシステムが役に立たないなどの理由で利用中止になるケースなどであれば、転売もできずにただ残るだけのものです。

これらのことを考慮すると、ハードウェアやソフトウェアを購入するのは発注側にとって何一つメリットが無いという結論になります。

 

クラウドではなく、「システム全体をサービスとして利用」する

では、ハードウェアやソフトウェアを購入しないで、インフラとして利用すれば良いのだから、クラウドになるのでは?というのは早計です。

クラウドは、特定のプラットフォームやパッケージを利用するサービス(というのが一般的な定義)ですが、業務を実現するシステムは、特定のクラウド事業者の提供するものだけでは構成できないケースが普通です。

したがって、業務を実現するシステム全体(関連するSIサービスも含めて)をまとめて、サービスとして利用する契約形態が望ましい、という結論になります。

この場合、クラウド技術であるかどうかは全く関係ありません。技術ではなく、(どのような技術形態・システム形態でも構わないので)契約形態として、発注側が何も保有しない方法が望ましいと考えます。

これを「サービス調達」と呼んでいます。

 

 

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