マイナンバー、番号通知とカード申込が始まりました。
マイナンバーの番号通知カードと認証機能のあるICカードであるマイナンバーカードが混同されているのは、ひとえに通知不足や報道の不備のせいですし、役所の窓口でもいろいろ大変そうですが、制度としてはスタートしましたね。
余談ですが、先日区役所の窓口に行って、「証明カードの再発行手続きを・・・」と話しかけたところ、「マイナンバーカードですか!?」と思いこまれてしまいました(笑)
もちろん、行政区オリジナルの、自動交付機用証明発行カードのことなんですが・・・
窓口の方も毎日マイナンバー、マイナンバーで大変なんでしょうね~
住民基本台帳ネットワークのときの騒動と比べると、隔世の感がありますが、
今回はセキュリティが問題、資産把握やトランザクション把握が問題、とされているのに、導入はきっちりと進んでいます。
(納税者へのインパクトは住基ネットの比ではありません。)
政策のやり方・進め方というのは大事なんだな、と実感します。
納税者側の混乱は当面収まりそうもないですが・・・
嗚呼「マイナンバー離婚」内緒の“履歴”がバレて地獄絵図?
http://president.jp/articles/-/16355
マイナンバー制開始で「キャバクラ嬢激減」の真相
マイナンバーの適用範囲拡大も、大きな話題になることもなく粛々と進んでいます。
衆議院、個人情報保護法とマイナンバー法の両改正案を一部修正して可決、成立
http://itpro.nikkeibp.co.jp/atcl/news/15/090302862/
こちら、逆に年金機構がしばらく使えなくなっているのが面白いですね。(あくまでしばらくですが)
「税と社会保障」のための番号だったはずですが・・・
色々言ったところで、本質は「゛国のための”カネの流れを把握する番号」制度です。
マイナンバーの「マイ」=「国」と考えておくと、判りやすいですね。
いくらメリットを訴えても、マイナンバー制度の本質は変わりません。
マイナンバーのメリット「約1兆円の費用削減の試算」
http://www.jprime.jp/life/law/19083
費用削減って言っていますが、中身は医療の効率化(HRの話)です。マイナンバーじゃないし(笑)
国と自治体のマイナンバーシステム関連投資で、殆どの効果は帳消しですね。
全部で幾ら掛かっているか、誰も把握してなさそうなのが怖いですが・・・
財務省案の新型軽減税率に自公猛反発
http://toyokeizai.net/articles/-/84952
総務省、企業の担当者が個人番号カードで電子的に契約書の作成を可能に
http://itpro.nikkeibp.co.jp/atcl/news/15/122104157/
NHK受信料、徴収にマイナンバー活用も検討
http://www.itmedia.co.jp/business/articles/1510/02/news055.html
上記のような例に見られるように、マイナンバーの適用拡大を急ぎ過ぎな気がします。
カードの配布や、窓口での本人確認端末、中間サーバも動いてないタイミングであまり焦ると、何かシステムトラブルがあった場合に一斉に叩かれてしまいます。
中間サーバが動いて、通常業務が安定してマイナンバーと連携してから、適用拡大の話をしてもいいんじゃないかと思っているのですが、何か事情があるんでしょうかね??
運用リスクがてんこ盛りです。
マイナンバー制度自体で、納税者にメリットを訴求しようとするのは無駄です。
カネも納税者の手間も掛かり過ぎてますから。
中央省庁の予算を1割減らします、と言うなら話は別ですが(笑)
ただ、マイナンバーカードのほうはちょっと話は違います。
【批判殺到】マイナンバー制度、カード活用の検討チーム発足へwwwwwwwww
http://nstimes.com/archives/43784.html
こちらの記事では批判的なニュアンスで書かれていますが、マイナンバーカード自体は、公的個人認証+通常のICカード機能の組み合わせでしかありません。
ICカード領域を民間が利用しても、トランザクションが連携される訳ではありませんので、上記の批判は勘違いですね。
それよりも、「財布の中のカードをまとめることができる(=持ち歩けるカードを増やすことができる)」可能性に注目しています。
様々な規模の企業がさまざまなカードを発行ししのぎを削っています。
この争い、究極的には「財布の中という限られたポジション争い」であると私は見ています。
(持ち歩けるカード量には限度がありますからね。)
海外では、搭載するカードを内部で切り替えられる非接触型ICカード、なんていう事業をベンチャーが始めていますが、普及はしていないようです。
そりゃそうですよね。誰だって他社のカードに相乗りするのではなく、自分のカードに乗っかって欲しいものですから。
この点で、全市民に配ることができて法的に保障された個人認証の付いたICカード、というものには、世界で類を見ないチャンスがあると考えています。
こういった発想で事業を切り開いて欲しいものですね。
ガラパゴスでいいじゃないですか。だって他の国ではマネできる訳がありませんから。
更に公的個人認証には、大きな可能性があります。
利用者のカードや端末では、個人認証と事業者のサービスの紐付けだけを行い、(事業者の)サービスのコンテンツ(IDやポイント数、履歴など)は全てクラウドで処理するようにすれば、そもそもポイントカード情報をICカードに格納する必要すら無い、ということです。
公的個人認証をスマホに搭載すること(構想はありますね)ができれば、更に可能性が広がります。
特区を設定してぜひチャレンジしたいものですね。
こういったマーケットの可能性を考慮すると、マイナンバーカードにはとってもナンセンスなものが書かれています。
基本4情報とマイナンバーと写真です。
カードに記載する必要なんて無いんですけどね・・・
(カードを読み取ったらネットワークで許可された情報だけ配信すればいいんですから)
マイナンバー構想を考えた人たちにビジョンが不足してます。
個人番号カード普及に妙手?総務省がカードケースを配布へ
http://itpro.nikkeibp.co.jp/atcl/column/14/346926/090200332/
以上のような観点で見ると、カードケースというのがいかにアホらしいものであるか痛感します。
隠すようなものは書かなければいいんです。
カードを紛失するたびにマイナンバーを発行し登録しなおす手間(自治体と企業)の総量を想像するとぞっとしますね。
だいたい、カードケースに入れたら、財布のカード入れには入らないじゃん!とか考えなかったのでしょうか?
カードはまだ配布が始まったばかりです。
ぜひ、考え直してもらいたいものです。